すると、石垣には既に興味がなく、辺りを見回してるではないか。
「どうしたの? 何か探し物?」
「ん~~~~それがね、優ちゃん捜してるんだけど、流石にもう帰っちゃったかな~~~? 携帯忘れてたみたいだから、スタッフから預かったのに~~~」
すると佐々木は、真っ白でアクセサリーが一つも付いてないシンプルな携帯を見せてくれた。
これが、天崎のプライベート携帯。
テレビ越しにみるファンは意外と思うだろうが、付き合いがある石垣にはこの携帯は彼女らしいと思わせるものだ。
「どうしよ~~~。困ってるか心配だな~~~。取り来るかな~~~」
すると、石垣は何かを思い付き、佐々木に迫るように言った。
「俺! 持って行くよ携帯! ほら、家近いしちょうど用があったから! 会えなかったら明日のスタジオで渡せるしさ! 栄子はしばらくここには来ないだろ?」
丁度佐々木の予定もチラリと確認したとこだ。
三人が集まれば、また食事の機会もあるかと計算する為に見たものだ。
何とかうまい事を言って、天崎との時間を少しでも作りたかった。
このままじゃ仕事が終わり、会えなくなってしまう。
携帯を持って行けば、その流れで番号も聞き出せるかと淡い期待を寄せていた。
「……」
佐々木は少し考えてから……
「いいよ! じゃあ任せるね! ハイ!」
元気良く携帯を渡してくれた



