それからだろうか?
よくここに来るようになったのは。
それは、街が一望出来る夜景のスポット。
ここから、天崎のマンションもあの辺りにあるのだろうと、だいたいの場所を把握して見れる。
それをいつも眺めているのだ。
マンションの前まで行って眺めたら、それは悪く言うとストーカー。
そんなイメージの悪さから、ここからなら問題ないと、時たま来ては小一時間程眺めていた。
特に来るのは演劇の練習後。
1日の疲れや癒しの為に、まるで天崎に会うかのような心構えで来ているのだ。
「ふう……」
ため息を漏らす。
もうここまできたら分かっている。
自分が天崎優に惚れている事を。
あの日以来だ。
あの日以来、溢れていた気持ちが一気にはぜる様に、想いを爆発させた。
今まで気持ちをあやふやにし、付き合うなど不可能な為に自分自身でも気付かせぬ様気持ちを伏せてきたが、もう手遅れである。
あんな風に抱き締め、心から好きと叫んでしまえば、今更元の自分に戻る事などできない。
天崎優の特別な人になりたい……
そう思って、街の光をいつまでも眺めていた



