「おはよう」
「おはようございます」
スタッフや照明係、ADのいつもの挨拶を受けながらもスタジオ入りする。
ドキドキが止まらない。
まるで初めてここでの撮影……
いや、下手したらそれ以上に心臓がお祭り状態になっている。
「あ……」
セットの脇に天崎の姿を捉えた。
いつもの感じで、スタッフと笑顔で話している。
それを見ていると、コチラが一方的に意識しているのが恥ずかしい。
そうだ。
これから行うのは、あくまで演技。
それ以上でも、それ以下でもない。
そう思いながら、監督の元、運命の撮影が始まった
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