「じゃあエーコ帰るから、しっかり頼んだよナイトさん」
「はーいはい。栄子も居眠りで事故らないようにな」
石垣は手を振って、佐々木を見送った。
さあ天崎と2人。
ドラマで恋人同士なので、このリアルな二人きりが、また一層緊張させる。
「どうぞっ」
助手席に促すと、意外とすんなり乗ってくれた。
人に見られたくなく、後ろに乗ってしまう予想も立てていたが、案外そうでもなかった。
良かったと表情を明るくし、車を出発させた。
「へえ~~意外とサッパリしてるね、コウの車」
特段、シートもハンドルも変えてないし、外見からしてもライト・タイヤ共に普通。
改造は一切施してなく、シンプルな車内であった。
「どんなの予想してたんだよ。由奈はいかついのが好き?」
「んーん。車は興味ないからいいの★あ、そこ右から行った方が早いよ」
ああ……
何て楽しいドライブかと、石垣は夢心地で運転をする



