「大丈夫?」
石垣がそう言うと、佐々木は少し間を置いて首を振り始めた。
「もうダメ~~エーコ眠いから帰り優ちゃん送ってくんない? 康クン家おんなじ方向でしょ?」
「え゛!?」
つい声に出してしまったが、天崎も少し驚いている。
おっと、ここでイヤイヤの言葉を出してはいけない。
すぐに弁解する。
「どうする由奈? 俺はいいが……」
「乗ってく!!」
天崎は即決で答えた。
そんな風に言われたら、少し嬉しくなるくらいに。
「じゃあ任せたよ~~さあ、決まったとこで店出よ★」
そう言って店を後にし、駐車場まで足を進めた。
何てラッキーなシチュエーション。
天崎優を、まさか自分の車の助手席に乗せようとは……
それだけでも、奇跡に近い出来事であった



