どうして笑ってるのかと不思議に見返すと、少し慌てて理由を話した。
「あ、ごめんね。だってコウは素直に騙されちゃうんだもん」
騙される?
何が??
それを佐々木本人が説明する。
「あんなんで本気で怒るわけないじゃん康クン~~~んもう、単純でかわいいんだから」
あ……
からかわれたって意味ね。
石垣はちょっとした苦笑いを見せて、軽く頭を掻いた。
じゃあ、無理に栄子と言わなく……
「でも下の名前で呼んでもらうのは、本当の話だよ。一度言ったんだから、変えないでね~~」
…………
呆気なく思った事を、バッサリ切られてしまった。
「さあ、乾杯しよう」
じゃれ合いはひとまず置いて、今日も良い演技が出来た事に乾杯を天崎が勧める。
車で来てるので味気ないが、運ばれた烏龍茶を手に持ち、声高らかに上げた。
「カンパ~~~イ!!」



