次の日、電話で気持ちの良い朝を叩き起こされる。










「ん~~?」










表示されているのは友人。



昔からのツレだ。










ピッ









「何だよお前か……どうした?」










向こうからは、ヤケに高いテンションが聞こえてきた。










「まーたこの時間まで寝てただろ! もう10時だぞ? 昨日見たよドラマ! ギャハハ、お前だけ何か浮いてるよな~! 俺笑っちゃって笑っちゃって」









そうか、昨日がパンドラの箱の放送日。










いつもチェックしていたが、あまりにも眠くて見忘れてしまった。










「うるせーよ。まさかそれだけの為に電話か?」










「いや、違うんだよ! あの証拠を片っ端から隠滅する犯人誰なんだよ~教えてくれっ! ナ? 今日、合コン何だよ~」









どうやらそのネタで、自分だけは誰よりも知ってると自慢する目的で聞いているらしい。










「監督にも言われて絶対秘密にしろと。――じゃあな」










「ちょっ!」










有無を言わさず、プツッと電源を切る。











朝から実に下らない内容だった。









ん……?










同じ友人から、メールが届いた。










『ヒロインに感情移入して、天崎優に手は出すなよ(^O^)笑』











……










「出すかよ馬鹿」










メールは返さず、一言携帯に向かって呟いた