それはやらなきゃいけないと言う責任か? 主役の重荷か? ただの冊子一つが、そう感じさせた。
「それと1つ」
監督はチラリと石垣に目を向けた。
「このドラマは推理していくものであります。
最終までの結末は皆さんのお手元の台本にありますが、決して外部に漏れぬよう絶対秘密を心掛けていただきたい。
それが親友・恋人・両親であっても、他言無用です」
一応新人の石垣もいるので、釘を刺しておこうと言う事だろうか?
馬鹿にしないでいただきたい。
言われなくとも、そのくらいの常識は持ち合わせている。
それでも、改めて自分にしっかりと認識するよう、監督の言葉を素直に受け止めた。
以後――
なからの説明は終わり、これからの打ち合わせや撮影日等も確認した。
あとは帰って、しっかりと役作りに専念する事だ



