え……な……

あ……








そんな、一文字群の言葉しか頭に浮かばないくらいに、石垣は硬直している。








それ程に、彼の中で衝撃だったのだ。










(え……
いつから変わっていたんだ?
まさか、最初から??)








いやいや、最初はボーイッシュの感じの、明るい女の子だったハズだ。





見間違う何て事はない。





なら、何故天崎優が工具箱を?





もしかしてドッキリ……?








(あ……
まさか、俺が主役やる事自体、何かの番組のドッキリ?)









そう考えれば、全てのつじつまが合う……








そう考えれば……










この大量に考えた案はたった3秒。





その3秒間の内に、これだけ走馬灯のように素早く考え、また天崎優にも返事を返す『間』程度の絶妙な秒数でもあった。










「ああ、これ……ね。私が小道具さんに頼んでずっと演技に使う工具箱借りてたのだけど、今日返そうと思ってね。

それで、その廊下からここを抜けて控え室行こうとしたら、スタッフの子が慌てて来たのよ」










!!


さっきの子の事だろうか?








話からして、九分九厘間違いないだろう。








「それで、ちょうど工具使いたいって言っていたから、同じ方向だし一緒に持ってきたけど……

その子、ここに私と来る途中
監督に捕まっちゃって、そのまま連れ去られたのよ。

後でお礼は言うけど『石垣さんありがとう』って言ってたわ」









と言うことは、持ち来た時点で天崎優に変わっていたのか……









ヤバい……

とんでもなく失礼な事を言ったような……と自分が言った言葉を、必死に思い返していた