スタッフらしき女の子が、飛び出す水しぶきを必死に押さえていた。
水道管が壊れたのか?
一人きりのパニック状態に、バチっと目が合った。
「あっ……!」
その子が助けを求める前に、石垣が自ら近付き水道を見た。
「何だ……配管がズレてるだけか……
レンチかなんかない? 小道具とかあるここなら、どこかにあるよね?
俺、押さえてるから、どこかから借りてきてよ」
前に、水道管修理のアルバイト経験もある石垣は、手際良くハンカチを取り出し配管をしっかり押さえつけた。
「あ、ありがとうございます! 石垣さん!
探してきます!」
そう言って、彼女は去って行った。
さすがプロのスタッフ。
既に石垣の名前は知っていたようだ。
自分が有名人じゃないのに名前を知っている辺りが、しっかりとした教育がされているのが分かる。
……にしても、突然のトラブル……
まあ、あそこで緊張しているよりも、こんな事してる方が気が楽になるが…
そうしばらくすると、ガチャガチャと道具箱を持ってくる音がした。
どうやら、見つけて来たようだ



