ガチャ…… バタン。 …… 「ふう……」 誰もいない廊下に出ると、石垣はようやく安堵の溜め息をつく。 あんなギスギスした雰囲気の部屋にいたら、身も心も詰まってしまう。 それから解放された喜びに、少しだけ嫌気がさした。 これからもっと大変なのに、この程度に圧される自分が情けなくて…… それでも、最初は緊張するから仕方ないと、自分で自分を慰めて廊下を歩く。 喉が思った以上に乾いており、一息つくためやってきたのは水飲み場。 しかし、先程とは違い、少し慌ただしい雰囲気に現場は包まれていた