「じゃあ……私と結婚しなさい!!!!!」
…………は?
何を言われたのか。
聞き間違えたのか。
コウは口が回らないまま、聞き返した。
「け、け?」
「何よ!! 文句あるの!? 何でも言う事聞くって言ったでしょ!!」
その途端に、由奈から涙がボロボロと流れた。
怒った表情のままだ。
「こうでもしないと……コウは逃げちゃうでしょ!? 約束したからね! 誓ったからね結婚!! 婚約したまま逃げたら承知しないからね!!」
話がまだ見えない。
コウは戸惑う。
「俺のこと、恨んでるんじゃないのか?」
それを聞くと、また平手打ちされた。
さっきのより大分弱めだが……
「私が許さないのは、そんな事で私が離れると思っていたコウの気持ちが許さないだけ。だから怒ってみせたの。仮に私が泣きついても、一緒になるのは認めなかったでしょ? だから何でも言う事聞くって言わせたかったの」
つまりは、やり直したいと?
それが未だに信じられないコウであった



