そんなに憎んでいるのかとコウは思う。
寧ろその方が自分にとっては有り難い。
由奈の悲しむ顔なんて見たくないし、騙し続けた罰も受けなきゃいけない。
「……気が済むまで……殴ってくれ」
その言葉は頭にきた由奈は、バチンとコウを平手打ちした。
「ふざけないで!! そんなんで済むと思わないで!! 収まるわけないでしょ!」
ここまで人は変わるものなのか?
そう思いつつも、コウは他にどう責任を取ればいいか思いつかなかった。
警察に言っても、コウが何したワケでもない。
父親がそうだからって、罪を問われて捕まる事とは違う。
もうどうしたらいいか、自分じゃ思い付かなかった。
「何でも、言う事を聞く……だから……だから……」
それを聞き、より胸ぐらに掴む手を強めて引き寄せた。
「何でも言うことを聞く? 男に二言はないわね!?」
「ないよ……。誓うよ!!!!」
今海に飛び込めと言われても従うくらいの勢いで、コウは大声で言い放った。
由奈は覚悟を決めたコウに、審判を下した



