しかし、由奈の手元に持つ紙をコウは気付いた。
あれは……
チラリと見えた記事に気付き、コウは勢いつけて近付いて、力強く由奈からそれを取り上げた。
「コレは……」
事件の全貌が書いたもの。
十中八九、本美が渡したものだろう。
約束を破った怒りもあるが、それよりも目の前が……
コウは観念して話を始めた。
「知ったのか……事件の全てを」
由奈は返事もせず、コクリと相づちを打つだけ。
これは、浮気されたからのショックではない。
尋常じゃない程に、目の焦点が合っていないからだ。
その様子から、もう自分の父親の事を知ったとコウは観念した。
「ゴメン……もう気付いてると思うが、事件の書類を隠滅していたのは俺。本美は俺に好意を持っていて、それをバラされたくなければとキスを要求してきたんだ……」
今まで思ってた事を全て話そうと、コウは隠し事全てを話した



