直ぐに何かを思い付いたようで、不安を拭う言葉をかけてくれた。
「ああ……
確かに通常では有り得ない演出だが、あの監督ならと共演者も分かってくれる。
それに……」
チラッと目線を手元の資料に落とし、天崎優の名前を見ながら話を続けた。
「ヒロインを務める彼女も、少し変わっていてね……
本当に演技を出来れば、名声や名誉などいらないタイプの人間だ。
相手こそ気にしないが、逆に言えば演技だけはしっかりしないといけないと言うわけだ。
ま、そこだけしっかり頼むよ」
それだけ言い残すと、早速と出て行ってしまった。
…………
テレビで見るイメージと違う……か。
それはそうだ。
直接話した事もないので、相手の本当の性格など分かるハズもない。
「どんな人だろう……」
高嶺の存在ではなくなりそうな、近親感持てそうな彼女の性格。
少し興味を持ち始めた



