その負けず嫌いに近いような感情はヒートアップし、石垣自信も思いもよらないような行動に移した。
「由奈……じゃあ、そのドラマと同じ事言っていい?」
「え?」
ブランコに座ったままの天崎の肩に手を置き、真っ直ぐに視線を合わせた。
「俺は……由奈が好きだ! このドラマを通して、由奈を好きになった」
驚いたような目つきで、石垣を見る天崎。
これが、練習とか演技じゃない事は分かる。
肩にかかる石垣の手は強く、真剣そのものだから。
演技ではなく、本当に告白をした事が天崎には分かった。
返事は……
「ゴメンね……コウの気持ちは嬉しいんだけど……」
……やっぱり、結果は見えていた。
石垣はパッと天崎から手を離し、苦笑いをした。
「分かっていたよ。……実は昨日たまたま見ちゃったんだ、天崎の彼氏をマンションで」
「え……?」
「本当は行ってたんだ……マンション。でもたまたま見ちゃってさ……だから諦めてたよ」
でも気持ちだけは伝えたかった。
このまま終わらせるのも、気持ちがまとまらなかったので。
天崎はブランコから降り、石垣の前に立った



