放課後…


化学の教科書とノートを持って化学準備室へ向かう。


ドキドキと心臓が音を立てるから、よけいに緊張しちゃう…



『三浦先生ってぇ、恋人いないの〜?』

化学準備室の前に着いたとき、中からそんな女子生徒の声に、ドアをノック仕掛けた手を思わず止めてしまう。


『その質問は今、関係ないでしょう…。』


あ、先生の声は分かる…。ちょっと困ってる…?


『え〜!いそうだよね?三浦先生カッコイイもん!』

『うんうん!てかいるでしょ!?ここの学校の先生とか?』


…三浦先生と女子生徒数人の声…

『それを聞いて何になるんです?』

『えー!私、三浦先生が好きなんだもんー!ね、携帯教えてよ!お願い!』

『三浦先生、私も!!』

『私もー!』

胸がザワザワする…
私だって教えてもらいたいよ…

じゃなくて…
何て言うか…こうして客観的に見ると私って…中の女子生徒とホントに変わんないな…

三浦先生:『教師が君等生徒にそれ以上の意味などない。とにかく勉強しないなら帰りなさい。』


ズキンと胸が鳴る。

分かってる
分かってるよ

でも吉崎先生は特別だったの?

何で?