*** 「……あれ?」 ケータイの着信音が聞こえて、身体を起こしてから周りを見渡す。 ぼんやりしてる視界に映ったのは、テーブルに散らばる花。 手の中にも、黄色い花がひとつ。 「あのまま寝ちゃったんだ……」 ずっと握ってたらしい花を見た後、時計を見る。 21時20分。 今までも何度も合鍵使って忍び込んだけど、こんな時間になっても帰ってこない事なんてなかったのに。 部屋を見回しても、椋ちゃんが帰ってきた形跡はなかった。 居眠りしちゃう前と、何ひとつ変わらない。