『それに、俺自身、咲良への想いに自信が持てなかったのも事実なんだ。
ずっと一緒にいたから、それが恋愛感情なのかどうか、気付くのに時間がかかった』
『……いつ頃から、恋愛感情だって気付いてくれたの?』
『高校の入学式の朝かな。
ブレザーの制服着た咲良見て……その時初めて気付いた。
……まぁ、中学生相手に恋愛感情を持つなんておかしいって、自分で認めてなかっただけかもしれないけどな』
ははって椋ちゃんは笑ったけど。
あたしは、そんな前に既に両想いだったのに知らなかったなんて、なんか損した気分で口を尖らせた。
『じゃあ、その時に言ってくれればよかったじゃん』
『高校入ったからって、まだ15だろ。せめて高校卒業までは待とうって決めてたんだ。
なのに、焦って手を出したりして……。
自分でも誠意がなくて呆れるよ』
『椋ちゃんは誠実だし、真面目だし、誠意の固まりだよ!
誘ったのはあたしだもん! 椋ちゃんは悪くない!
……っていうか、なんで焦ってたの?』



