「昨日、椋ちゃんから聞いたんです。
誕生日の夜の事とか、須田さんと付き合ってるって嘘をついた理由とかを」
「……それを聞いて、傷口に塩でも塗りにきたわけ?
それとも、彼氏に手を出さないでって忠告?
安心してよ。私だって、彼女持ちの男に手は出さないし」
「え……」
びっくりして声をもらしたあたしを見て、須田さんまで驚いた顔をする。
「何驚いてるの?」
「だって……なんで椋ちゃんとあたしが付き合い出した事知ってるんですか?
椋ちゃんが気持ちに答えてくれたのは昨日なのに……」
「ああ、そうなの?
でも、分かるでしょ。葉山さんのあんな態度見たら」
そう言った後、須田さんははぁってため息がちに言う。



