一途に IYOU〜背伸びのキス〜



椋ちゃんの包み込むような優しさに、勇気をもらった。
受け入れられてる気がして嬉しかった。


『明日……学校行ってみようかな』

そう呟いたあたしに、『咲良がそういう気持ちになったなら、応援するよ』って微笑んでくれた。

『家で待ってるから』って。


その後、からかってきてた男の子からも、仲間はずれにした女の子からも、“ごめんなさい”の手紙をもらって、すぐに仲直りできた。


笑って登校できるようになったあたしを見て、ママは『えらい』ってあたしを抱き締めた。

パパはやっぱり異常なくらい喜んで、ケーキとかいっぱい買ってきて。


椋ちゃんは……。

黙って微笑んで、頭をくしゃくしゃ撫でてくれた。


その時、胸がトクンって温かくなったのを覚えてる。