心の底からうっとうしく思っているような声で言った後、みっちゃんがあたしを見る。
「っていうかさー、もったいないと思わないの? 咲良。
華の女子高生なのに、片思いに時間注いじゃうとか」
「そうだよ! 全部大沢の言うとおり!」
「もっととっかえひっかえして、目を磨きなよ」
「そうだよ! ……って、俺とっかえられんの?!」
「っていうか、とっかえる前に選ばない」
便乗して鼻息を荒くする櫻井を嫌々見てから、窓の外を見る。
ここからは見えない椋ちゃんのいる会社に想いをはせて。
朝会ったばかりなのに。
もう会いたくなってる。
2%なんて大嘘だ。
もう千回以上告白めいた事をしているのに振り向いてもらえていないんだから、確率で表したら多分、0,1%くらいが正しい数字だろうなと思う。
そしてそれは、これから毎日告白を重ねるごとにどんどん低くなる。
でも、そんな事は分かってて頑張りたいと思ったんだから、数字なんてどうでもいい。
歳の差も確率も、ハッキリと無理と告げてくるような数字は大嫌い。
この世からなくなっちゃえばいい。
「もったいないなんて思わないよ。だって、片思いで終わらせるつもりないもん」
はっきりとそう言うと、みっちゃんは笑って、櫻井はまた顔をしかめた。



