病室に入った途端、軽穂が泣いててちょっと焦った。 でも多分、緊張が途切れただけだ。 ベッドに寝てる舞憂の手を握ってる人。 すぐに舞憂のお母さんだって分かった。 ――雰囲気とか、そっくり。 少し話をしたら、今日は舞憂がお見合いだったことが分かった。 ……お見合い? 冗談でしょ。 だって、舞憂には大好きな玲くんがいるのに。 その玲くんが来る気配がないところを見ると、軽穂は連絡してないんだろう。