「でも俺は3歳の時、
小児ガンになった」
また衝撃的な言葉を聞く
そんなちっちゃい時から…?
「でも、また手術をした。
そのときに完治した
………はずだった」
重くのしかかる言葉
一つ一つに胸が痛い
心臓のあたりが
キュウッて痛いんだ
「そして、今年の3月に
ソレは肺に転移…いや、
原発した」
…………''肺''
肺に……転移…原発…
「そんなっ?!3月って
そんな前から?!」
「肺ガン………か」
黙って聞いていた刹那が
初めて口をひらいた
「それからは………
喉がかすれて…
喘息の発作が増えて…」
優しいけど、弱い所を
見せなかった永の目に
澄んだ涙が浮かんだ
痩せた頬を伝って、
テーブルに落ちてはじける
宝石みたいに綺麗だった

