「いらないの…?なんというか…えぇ」 返事をしなくてもいいけど、今日1日は覚えておかなきゃならないらしい。 「結愛のことだから、どうせ答えはまだだろうし。ややこしいことに、答え聞いたら俺はクビになるんだよな」 出会ったときと変わらない、でもすこし柔らかいような『ニヤッ』。 「だから、内緒な」 人差し指を立てるに仕草が思いの外どきりとした。 薄暗いその中で、なんだか秀が特別に見えた……気がした。 ねえ、わたしの心に 答えなんてあるのかな?