「ほら」 顔を上げさせるととえ?って顔をあげてくる。 畜生。涙目に上目遣いの顔になってんぞ。 結愛ちゃんは、女の子の方でもかわいい方だと思う。決して気が弱いわけじゃないけど、守ってやりたくなるっつーか。 「教室、帰るぞ」 こくっと頷いた小さな肩をたたいて、立ち上がる。 ハンカチを差し出すとまだ涙声の混じる「ありがとう」 「いや」 俺、どうしちまった? お嬢様とはいえこんなに――女に優しかったか?