ふっと口角を上げ、目を細める。 笑っているように見えるけど、目は笑っていなかった。 図書委員の人は固まったまま動かない。 もちろん、手首も掴まれたまま。 「…おい、聞こえてんの?身体で教えねぇと分かんない?」 八木原君の声のトーンは鋭さを増し、刺さるように冷たい。 「っ!すいませんでした!!」