先生が促すが、誰も席を立とうとしない。 あたしは恐る恐る手を上げた。 「先生……あたし、行きます」 「は?」 橘君が目を見開いて、あたしを見た。 周りの子たちも同じ表情をしていた。 「屋上って…さっきの階段を上がればいいんですよね?あたしが呼び戻してきます」 「え…あ、…はい。お願いします」 先生も戸惑っていたが、やがて納得したような顔をして頷いた。