でも…海外に行くんだったら転校はしなくていいんじゃないかな? 「私もね、ついていくことにしたのっ」 「え?」 「だから、あの人について行きたいのよ!海外に!」 お母さんは頬を赤く染めながら、茶色の写真立てを手に取った。 あたしとお母さんとお父さんが、仲良く寄り添いながら写っている写真。 お母さんはしばらく写真を眺め、すっと顔を上げた。 真っ直ぐな瞳が、あたしを見つめる。