「蒼空ちゃん」 テーブルをすっかり拭き終え、あたしは“接客の極意”と書かれたプリントに目を通していた。 飲食店でのバイト経験がある、中村君が作ってくれたもの。 「はい」 「そろそろ開店するよ。準備はいい?」 うわ…緊張してきた。 「準備万端です」 ニコッと笑ってそう言ってみるけど、震える声は誤魔化せない。 ついに、3年A組“コスプレ喫茶”が開店した。