「よし、そうと決まったら早速準備だ!」 中村君はあたしの手を握って、そのまま教室に飛び込む。 待ちくたびれていた様子の男の子たちが、一斉にこっちを見た。 瞬間、ざわめく教室内。 「おお…可愛いな、蒼空」 「あれは反則だな」 八木原君と橘君が厭らしい目で、あたしをまじまじと見る。 「そこのおっさん二人!蒼空ちゃんをそんな目で見るな」 ありがとう、中村君。君もあんまり人のこと言えないと思うけどね……。