「出来た!うんっ、完璧」 数分後、中村君がみんなに、アレンジした浴衣を見せた。 面白味のなかった着物が一変、今どきのミニ浴衣になった。 男の子がやったと思えないほど、綺麗で工夫されたアレンジ。 「可愛い…」 無意識に、声に出していた。 「でしょー?じゃあこれ着てきて!」 はい、と笑顔で渡される。 着こなす自信はないけど、とにかく着てみたかった。 「はいっ」 あたしは浴衣を持って、教室を出てトイレに向かった。 「…んしょ」 丁寧に、慎重に浴衣を着る。