「そっ、そんな顔してません…!」 慌てて反論すると、橘君は楽しそうに声を上げて笑った。 「可愛いなー蒼空ちゃん」 ……完全に遊ばれてる。 「とりあえず今日は部屋戻んなよ、遅くなっちゃったから」 「…あ、はい」 教材を片付けながら生返事をして、小走りで玄関に向かう。 「今日はありがとう。…また、教えてな?」 そうやって王子様スマイルを見せる橘君に見送られ、あたしは部屋に戻った。