「しかもアンタ、連続して起こった出来事に対して、あんまり動揺してなかっただろう? 普通の人間だったら、ビビッて逃げるっつーの。その神経、どうやったら育つんだか」

「良い教育をされただけだ」

「ハッ! 確かにただ調べただけでは、普通の家庭だよな。一体何を隠しているんだ?」

真名は髪を直し、メガネをかけ直した。

「…そのメガネ、本当は必要ないんじゃないの?」

そう言って魅弦は真名のメガネを取り上げた。

しかし真名は黙って魅弦を見つめた。

「コレ、普通の人間に見せる為の小道具?」

「…何度も言っているがな」

「うん?」

真名は恐るべきスピードでメガネを奪い返し、魅弦の首を掴んで床に押し倒した。

「憎しみを抱き、持つ者が人間と言うならば、私は人間だ。それ以外の、何者でもない」

「…ホントにそう思ってる?」

「当たり前だ」