月の下でキスと罰を。

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 瀬良達の服装が、短いものから長いものに変わっていく頃。


「ただいま」

 瀬良が出掛けて行って戻ってきたのだ。

「あ、おかえり。早かったね」

「展示の打ち合わせ早く終わったから。バイト今日は無かったし」


 瀬良が出ている間、カヨがやってきてテーブルを拭いたり、着る物を片付けたりしていた。時折、立ち止まって考え事をしている様子で。テーブルに着き、頬杖のままボーッとしていたり。

 そのうちに工房に来て、あたしの正面へ座り、じっとしていた。

 太陽の光がオレンジ色になってくるまで。

「これ、貰ったよ」

「あ、ワインだ」

 カヨが笑顔になる。「あ」その笑顔は、一瞬固まる。

「先月のね、ハタチのお祝いだって、これ貰った」

 瀬良はその瓶をテーブルに置き、工房へ入ってきた。