「え、わたし?」

「俺一緒に行くようなヤツいないし、ペアチケットだから」


祐李さんとでも行きなよ、そう彼は言った。でも本音を言えば、一緒にいきた…――い。


「輝くん……よ、良かったら…わたしと、行かない?」


あれ?わたし今思ったこと聞こえて…


「え」


口に出してるよねわたし!慌てて口を塞ぐけど聞かれてしまったみたいだ。ううう、気まずい。


「俺となんかで…いいの?」

「っ、うん!」


むしろ、輝くんがいいんです。なんて言えないから胸の奥に秘めておく。


「れ、練習休みってあるの?」

「……今週の日曜は朝までだから」


午後からは?とスケジュールを確認する輝くん。


「だいじょぶ、です」