傘を持ちながら走る佐々木についていき、横をスッと抜けた。


「おはようございます!キャプテン」

「おはようございます」


そんな俺らに「おはよう」と爽やかスマイルなキャプテン。


そしてちらりと薄ピンクの傘の方を見た。



………あ。



「今日は中練ですよね」

「止まねえだろーし、そうだな」


佐々木とキャプテンの声が遠くなった。


傘からちらりと顔が覗き、見えた表情。


恋してる女子、の顔。


――なんだ、そんな顔できんのかよ。



「…上手くいってんじゃんか」

俺は小さく呟き、佐々木の背中を追った。