「登駕?」


小さく名前を呼んでみた。今、確かにわたしの名前呼びかけたんじゃない…かな。


――バンッ!!


「登駕~…っと、あ!真尋さん」


丁度のタイミングで現れたのは逞磨くんだった。相変わらずのテンションに着崩した制服を携えて。


「登駕寝てます?」

「え、あ、うん」


パッと登駕から体を離した。するとニヤニヤしたのは逞磨くん。危ない危ない、とんだ誤解を受けるとこだった。


「珍しいっすね」