「先輩としゃべったことねぇんだよな…」 「同じクラスではあるけど」 「…じゃーとりあえず。俺の立場を利用しましょうか」 そうして上からあたしを見下ろして、空を仰ぐ。きょとんとしていると鋭い一言がやって来た。 「俺と仲いいってことにして、サッカー部に近づけ、しゃべれ。問題はここからだろ」 「マジか」 「大マジだ」 「無理」 間髪をいれずに否定文(単語だが)を差し出すと明らかにため息をついた登駕。