「フラレたのは、真尋だ」 ゆっくり目が見開かれた。色素の薄い瞳が揺れる。逞磨―…? 「た、逞磨?」 「大丈夫だ。びっくりはしたが」 それでなんでお前が落ち込んでんだと問われて、真尋に嫌われたと答えれば、まさかの事態。 「お前アホか。何て言ったんだよ」 罵倒された。 「関われないって」 「その心理は」 「ホッとした自分がいた。腹立つ」 「……当たり前だろ、好きなんだから」 「あと、慰めの優しさなんて、今の俺がやったら――卑怯じゃないか?」