振り返ると、恰幅(かっぷく)がいい男の人が立っていた。

「よぅ!!仁史(ひとし)。」

知り合い!?

瀬戸さんは笑顔で、私の手を握ったまま仁史と呼んだ人の方へ向かう。

ちょっ、ちょっと…!!

元気だった?なんて談笑してるし。

「こいつ、大学の時の友達。」

なんて紹介してくるし!!

「こんにちは。」

私も挨拶しちゃってるし!!

「浩輔、こんな可愛い彼女、いつの間に!?」

いえ、違います!!

「羨ましいだろ。」

って、あの、否定して下さい。

「大変だろ浩輔。
マイペースだから。」

いや、だから違います!!

マイペースで子供みたいなのは否定しませんが、彼女じゃないです私。