『間違ってるかもしれないけどー。』 「大丈夫、平気平気っ!」 そう言って梨花は、私が机から出した英語のノートを、私の手から奪っていく。 どうやら内職するみたいだけど、そこには触れず、私は前へと向き直った。 …見つかって没収されたら、叱られるの私なんだけどな。 「さすが美優、ノート綺麗~!」 後ろでブツブツ言ってる梨花に、また後ろを少し見ながら、適当に笑っておく。 さっき前を向いた途端、先生と目があったから、今はまだ前を向きたくない。