佑くんの好みの女の子になりたくて、私はずっと頑張ってきた。
メイクだって、佑くんがきっかけで。
このロングヘアだって、佑くんが好きだと言ったから伸ばしたのに。
“美優は自慢の彼女だよ”
その言葉は、嘘だった?
私はいつだって、佑くんの自慢の彼女でいたかったのに。
それでも佑くんは、遠い存在だったんだね。
『……。』
独り言でさえ、言葉を失って。
しゃがんだ先に見えるのは、徐々にできる水たまり。
そこに映る自分の影は、可愛らしいワンピースを着ている。
私って、いつからワンピースが好きだったんだっけ。

