ただ、言えなかった。 いくら爽くんでも、言えるわけがない。 私が先生のことを“好き”なこと。 先生と私は、生徒と教師の一線を越えているってことだけは…。 「そうなんだ、よかったな!」 ―――…ねぇ。 なんでそんなに、色が絶えることなく、笑うことができるの? 『うん…。』 私は、爽くんが思ってるような子じゃないのに。 私と先生は、爽くんが思ってるような純粋な先生と生徒じゃないのに。 なんで爽くんは、そんな私を好きでいてくれている?