だからこそ、キミは。




先生の骨ばった背中を、私の温もりで包まれてしまうぐらいに、強く抱きしめる。



先生は、きっと弱い。

強いふりをしているからこそ、心が優しい人。



私が離れていってしまった時、先生はきっと壊れてしまう。



…だけど、ね?




「ごめんな。」



“ごめんな”じゃなくて、“ありがとう”と言ってほしかった。



多分、きっと。

先生は私がいないと壊れてしまうけれど。



最初に離れていくのは、先生の方だと思う。