降り積もるのは、不安のみ。 幸せなんか、あるのかさえわからないけど、遠すぎて見えない。 佑くんのあの時の言葉に、私は悔しいぐらい揺れている。 『好き。』 そう1つ、呟いて。 先生の輪郭を自分の手でなぞりながら、先生の存在を確かめていた。 先生が“好き”と返してくれないことぐらい、知っている。 だって先生から私は一度も、“好き”だと言ってもらったことがないから。