だからこそ、キミは。




『佑くんは、何も知らないじゃん…っ。』



先生は、優しいよ。


居場所をなくした私に、居場所を与えてくれて。

励ましたり、優しい言葉はかけてくれないけど、無言で私を包み込んでくれるの。



何も知らないくせに、先生を悪く言われたくない。




「でも…!」

『彼は素敵な人だもん…!』



佑くんの声に覆い被さるように、声を張り上げていた。




「美優……。」




一瞬だけ、勢いをなくした佑くんの肩。

一瞬だけ、痛いぐらいに飛びかかったクラスメートの視線。