先生から斜めそっぽを向いて、必死に怒りを表現してみたけれど。 顔がほんのり熱いから、頬が染まって、全然怖くないことなんか自分自身わかりきっていて。 『…な、なによ?』 きっと、先生にはかなわない。 私、嫌になるぐらい、先生の前では素直だ。 「――美優は可愛いな。」 ふわり、と。 甘ったるいぐらいの、優しい風が吹いた。