「…座ったら?」 ―…ドキン、と、した。 佑くんの素振りが思ったよりも普通なことに驚きつつも、私は平然を装って椅子に座る。 『う、うん…っ。』 ……本当に、普通なんだな。 あんなことが、あったのに。 あの時の時間が嘘だったかのような振る舞いをする佑くんは、なんだか凄く大人みたい。 『……。』 佑くんは、しないのかな。 「……。」 佑くんの素っ気なく本を読んでる横顔も。 佑くんが隣に座ってるだけでも、私はドキドキしているのに。