「俺が美優の椅子、俺たちの机に持っていくからさ。 美優は弁当持って、先に佑介のところ行ってて良ーよっ!」 爽くんの飾ってない優しさ。 見返りを求めているわけではない、態度。 今も、あの時も。 …私が、佑くんに振られてボロボロになっている時も。 そんな爽くんの態度に、私は救われてる気がする。 『…ありがとっ!』 精一杯の明るい声で、お礼を込めて張り上げた。 さっき“あんな会話”をしたばかりなのに。 こんなに普通に。明るく優しく接してくれる人なんて、他にいないよね。